ザ・リッツ・カールトンは、何屋さん?

2007/10/15

そりゃあ、ホテルだろう。

と思った方は、以下の文章を読んでみてください。

リッツ・カールトン大阪で部屋の掃除をしていたハウスキーパーは、
宿泊していた大学の先生の忘れ物(講演資料と老眼鏡)を発見。
FAXで送ると人目にふれてしまうし、
その日の夕方には東京で講演があるので宅配便では間に合わない。
そこで、そのハウスキーパーは「のぞみ」に飛び乗り、
東京駅で先生に忘れ物を手渡した。
東京での講演を大成功に終えた先生が常連客になったのはいうまでもない。

これと同じことを、他のホテルの従業員がやったら、どうなるでしょう?

まず、間違いなく、
「おまえ、職場を離れて、何やってんだ!」と上司に怒鳴られるでしょう。

ところが、リッツ・カールトンのスタッフは、
上司の許可もとらずにこんなことを平然とやってのけます。

顧客の満足度を高めるためなら、
個人の判断で2000ドルまでの費用なら使っていいと
会社が認めているからです。

では、ここで皆さんに質問です。

もし、あなたがリッツ・カールトンで働いていて、
忘れ物を見つけたとしたら、「新幹線に乗って届けよう」という
発想が思い浮かぶでしょうか?

忘れ物を届けたこのエピソードを、いまだ知らなければ、
2000ドルまで使える権限をもっていても、
多くの人は、忘れ物を見つけた時点で、お客さんに連絡を入れ、
宅配便で送る手配をして、納得してしまうのではないでしょうか?

では、リッツ・カールトンのスタッフは、
なぜ、このような大胆な行動を起こせるのでしょうか?

その答えは、リッツ・カールトンという会社が、
「ホテル」をやっているとは思っていないからです。

登記上の事業内容は、もちろん「ホテル業」に属していますが、
それはあくまで法律上の定義であって、
リッツ・カールトンは、ホテル・カンパニーを経営しているとは考えていません。

だからこそ、新幹線に乗って忘れ物を届けようなんて、
常識破りな発想が、スタッフから生まれてくるわけです。
 

リッツ・カールトンは、ホテルなのに、ホテルをやっているとは思っていない。

その証拠に、リッツ・カールトンのクレド(信条書)には、
「ホテル」という言葉が一語も出てきません。

では、リッツ・カールトンは、ホテルではなく、何だと思っているのでしょうか?

詳しくは、11月のセミナーでお話しすることにして、
ここでは、「鎖につながれた象」の話をしておきます。

子供の頃、5メートルの鎖につながれていた象は、
大人になってその鎖をとかれても、5メートルの範囲内を行き来するだけで、
それ以上、行動半径を広げようとはしない。

もし、あなたが、ホテルを経営していて、
自分たちがやっているのは「ホテルだ」と思ったなら、
その瞬間から、そこで働く従業員の思考や行動は
「ホテル業界の常識」に縛られることになります。

同じく、レストランが「レストラン」と思った瞬間、
病院が「病院」と思った瞬間、
「レストラン」「病院」というその言葉が、
まるで象をつないでいた鎖のようになって、
人の思考を常識の範囲内に閉じ込め始め、
斬新な発想や行動を生みにくい企業風土をつくりあげてしまうわけです。

このメルマガを読んで、業界の常識の枠にとらわれすぎているかもしれない、
と感じたら、来月開催する私のブランディング・セミナーに、
ぜひ、参加してみてください。

リッツ・カールトンの事例をまじえながら、
縛られかけていたあなたの思考を解放するセミナーにしたいと考えています。

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日時:2007年11月13日(火)15:30〜18:00 
会場:新丸の内ビルディング
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ブランディング・コーチ 矢沢大輔
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