ブランド想起の限界

2004/11/22

前回は、ウォークマンを例にあげて、「ブランドとは人々の脳の中にあるもので、知覚のことだ」という話をしました。

今回は、人々の脳の中にできあがったウォークマンの知覚が、iPodの出現で、どう変化しつつあるのかを話そうと思ったのですが、その前に、そもそも人間の脳は、どのようにブランドを認識しているのかという記憶の構造について話したいと思います。

人間の脳は、一つのカテゴリーにおいて、3〜4つのブランドしか思い出せない。

ここでいうカテゴリーとは、外食産業でいうなら「ハンバーガーショップ」とか「焼肉店」とか「ファミレス」といったジャンルのことです。 たとえば、「あなたが知っているハンバーガーショップのブランドをあげてください」と一般の人々に質問したとしましょう。

答えの候補としては、「マクドナルド」「モスバーガー」「フレッシュネスバーガー」「バーガーキング」「ロッテリア」「ファーストキッチン」などが考えられますが、平均的に3〜4つのブランド名しか頭に浮かんでこないのが実状だということです。
もちろん、外食産業にお勤めの方や無類のハンバーガーマニアなら、もっとたくさんのブランド名が浮かんでくるでしょう。
しかし、一般の消費者の認識レベルとしては、だいたい一つのカテゴリーにつき、3〜4つのブランドを記憶するのが限界なのです。  人間が日々接する情報の量は膨大なものです。
その情報の中から自分が必要とする情報を取捨選択し、その情報を効率的に記憶するために、人間の脳はカテゴリー別に情報を分類整理し、ブランド名を記憶しているわけです。
「ハンバーガーが食べたいな」と思ったら、人間は、この記憶をもとに購買行動を起こします。
今日は、「マクドナルド」にしようか、それとも「モスバーガー」にしようかと、そのときの気分や懐工合に応じて判断を下しているわけです。

とういうことはですよ。
あなたがもし「ハンバーガーショップ」を経営しているとしたら、「ハンバーガー」というカテゴリーにおいて、最悪でも4つめのブランドとして人々に認知されなければ、きわめて先行きが危ないといえるわけです。

なぜなら、人はそもそも、知らないものなんて、買わない。からです。

あなたの会社が、もしハンバーガー市場のシェアを独占したければ、何よりもまず、人々の記憶の中の「ハンバーガー」というカテゴリー内にある3〜4つの椅子を奪い取ること。
この記憶における椅子取りゲームのこと=「ブランド戦略」だと私は考えています。

では、具体的にどのようにすれば、記憶の中の椅子を奪うことができるのか?

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ブランディング・コーチ 矢沢大輔
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