ブランドとは何か? |
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| 2004/8/24 「ブランドとは何なのか?」について、ソニーのウォークマンを例にあげながら説明していきたいと思います。 ソニーのウォークマンが発売されたのは、いまから25年前。 カセットテープを再生する携帯音楽プレーヤーとして生まれました。 それから25年の間に音楽再生のための記録媒体は、カセットテープ→CD→MD→HDD(ハードディスク)と進化し、その呼び名も「ウォークマン」→「CDウォークマン」→「MDウォークマン」→「ネットワークウォークマン」と変化をとげます。 ここで注目したいのは、記録媒体が変わっても、その呼び名に一貫して「ウォークマン」という言葉が使われつづけていることです。 歴代のウォークマンに「ウォークマン」という名前がつけられていることなんて当たり前だと思われがちですが、ここで時代を振り返ってちょっと考えてみてください。 ソニーが記録媒体をカセットテープからCDに切り替えた時点で、商品名を「CDウォークマン」とせずに、たとえば「CDing」として売り出すことも可能性として十分にありえたわけです。 (商標登録がクリアできるかどうかの問題は別にして) なぜなら記録媒体がCDに変わって、アナログからデジタルへと進化したのだから、カセット時代の「ウォークマン」という名前にこだわらず、もっと革新的でデジタル感を想像させる商品名にすべきだという意見が出てきてもなんらおかしくはないからです。 ところがソニーは、記録媒体がCDになろうが、その後、MD、HDDと変わろうが一貫してウォークマンの名前を使いつづけてきました。 では、いったい何のために名前に一貫性を持たせているのでしょうか? それが「ブランドとは何か?」の答えです。 発売から25年間、ソニーは一貫して同じ名前を使いつづけることによって消費者の脳内に「ウォークマン」という固有名詞を定着させ、新商品の開発によってその意味を絶え間なく進化させてきたわけです。 ですから「ブランドとはどこにあるか?」といえば、消費者の頭の中にあるもの。 そして「ブランドとは何か?」といえば、消費者がその固有名詞の意味や価値をどのようにとらえているかという記憶、つまり「知覚」のことだといえるわけです。 よってブランドを作るとは、消費者の頭の中に新しい固有名詞を生み出し、その意味を陳腐化させないように常に更新しつづける作業だといえるわけです。 ここで重要なのは、ソニーがウォークマンという商品名をブランドに育成しようという考えを当初から持っていたということです。 もし記録媒体がCDに変わった時点で、ウォークマンという名前をあっさり捨てていたら、携帯音楽プレーヤーのカテゴリーでソニーがCDの時代もMDの時代も勝ちつづけられたかどうかは定かではありません。 ソニーは、長期にわたって同じ名前を使いつづけることで、「ウォークマン」といえば携帯音楽プレーヤーの代名詞、そのリーディング・ブランドだという認識をより確固たるものにし、この25年間、競争を有利に進めてきたともいえるわけです。 このように消費者の脳の中に、そのカテゴリーのリーディング・ブランドであるという認識を一度築いてしまうと、長期にわたって競争を有利に進められる。 これこそ、ブランドをつくりだすことの最大のメリットといえるでしょう。 しかし、その「ウォークマン」というブランドの威力も、ここにきて少し陰りが見えてきたようです。 アップルコンピューターのiPodの出現によって、人々の知覚に、いま、どのような変化が起きはじめているのか? この続きは、また次回、お話したいと思います。 ブランド戦略コラム INDEX POWERED BYまぐまぐ ブランディング・コーチ 矢沢大輔 |
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