ブランディングのための「驚き」のつくり方1

2002/8/7

驚きをつくらなければ、ブランドにはなれません。
では、その驚きをどのようにつくっていけばいいのでしょうか?

驚きを生みだすためには、まず「驚き」とは何なのかについて理解しておく必要があります。

未知のものに出会ったときや予期せぬことが起こったときに人は驚きを感じます。
つまり「驚き」とは、人の脳にすでに記憶されていた情報と、新たにインプットされてきた情報との、ギャップによって引き起こされる感情です。
そのギャップが大きければ大きいほど、驚きの度合いが大きくなるわけです。
これについては、テレビの進化を例にあげながら、もう少し詳しくみていきたいと思います。

テレビがこの世に初めて登場してから、もう50年以上経っていますが、テレビの進化はいまなおとどまることはありません。
では、その進化の過程で、人が一番驚きを感じたのは、いったいいつの時点でしょうか?

私はまだ生まれていなかったのですが、おそらくテレビが初めてこの世に出現したときの驚きが、一番大きかったのではないでしょうか。
それまで、放送といえばラジオだとみんなが思っていた時代に、突如、電波によって画像が送られてくるテレビという物体が登場したわけですから。

その次に驚いたのは、おそらく白黒からカラーになったときでしょう。
それまで、テレビといえば白黒だったものがカラーに切り替わったわけですから、誰だってカラーで見たくなる。
それで、またたくまにカラーテレビが普及していったわけです。

では、その次に驚いたのはいつでしょう?
これはかなり見解が分かれるでしょうねぇ。
私の経験からすると、チャンネルがダイヤル式からプッシュ式に変わったとき、あるいは、リモコンが出たあたりでしょうか?
それからも、音声多重が出たり、画面が横長のワイドテレビが出たり、ハイビジョンになったり、フラット画面になったり、デジタル放送になったりと、テレビの性能は進化しつづけているのですが、新しいテレビが出たからといって、かつてのように、みんながそれを買うということはもう起こらなくなってしまいました。

それはどうしてでしょう?

「大衆の時代が終って、個の時代になったから?」
違います。
「バブルがはじけて以降、日本が不景気になったから」
それも、違います。

答えは、技術がいくら進歩しても、驚きが低下してくるからです。

テレビの進化でいえば、白黒からカラーに切り替わった時点で、現在のテレビというものの原型がほぼ完成してしまい、それ以降、性能の進化に対する消費者の驚きが鈍りはじめたのです。
技術的には、白黒からカラーになったのと、アナログからデジタルになったのが同じくらい革新的であったとしても、消費者側の驚きという観点からすると、白黒からカラーに切り替わったときのほうが、だんぜん衝撃的なわけです。
このように、技術の進化があるラインを超えてしまうと、それをピークに驚きが低下しはじめる。
これ、メーカー側にとっては何とも恐ろしいことですよね。
そして、ここからモノが売れないという苦悩がはじまるわけです。

こういう状況にあるのは、何もテレビに限ったことではありません。
テクノロジーの発展によって、ありとあらゆるものの性能が、もうすでに一定のラインをクリアしてしまっています。
驚きをつくりづらくなったこの時代に、これからどのようにして新たな驚きを生みだしていけばいいのでしょうか?

その方法としては、大きく2つの方向性があるように思います。
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ブランディング・コーチ 矢沢大輔
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